映画|さヾなみ
『おかあさんのような恋は、しないと決めたのです。』
『母は、娘の恋を見まもるほかないのです。』
2002年(平成14年)劇場公開作品。
本編112分+特典映像約30分。
ミュージシャン・中山加奈子の詩集「買えない運命」が原案の
山形県米沢市を舞台にした恋愛映画。
監督・脚本・編集は映画「鉄塔武蔵野線」で
文化庁優秀映画作品賞受賞の長尾直樹監督。
音楽はシンガーソングライター・岸谷香が担当。
主演は唯野未歩子。共演に豊川悦司、きたろう、天光眞弓、岸部一徳、松坂慶子。
ヒロインの夏井稲子(唯野未歩子)は米沢市役所環境部の
職員で水質検査に従事していた。
そんな彼女は、市内の温泉地の源泉調査で風評が立つ
便利屋の男・玉水龍男(豊川悦司)に出会う。
一方、稲子の母・夏井澄江(松坂慶子)は和歌山県太地町の
裏通りで小さな写真店を一人で経営していた。
澄江は夫が渡航先で事故死したと娘に話していたが、
その夫からの一通のエアメールが米沢市に住む義兄
三益修平(きたろう)の元に突然届いた事を知らされる。
その頃、玉水に淡い恋心を抱く稲子は恋愛に臆病なまま、お盆に
帰郷する際に知人から玉水が街から離れる事を聞かされる。
純真な母と娘の“漣”(さざなみ)の様なそれぞれの恋愛を僅かな
台詞とインストルメントの音楽に乗せ、メインロケ地となった静寂
で秀麗な米沢市内の風景と共に繊細に描く、“映画”と称するより
も“小説”の感覚的な表現のロマンスが印象的。
山形県民のみならず、恋多き世の女性達にも
鑑賞して頂きたい作品の一つかと。
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